重大病発症の要因にも…「冬の便秘」放置はこんなに危険

たかが便秘と侮ってはいけない(C)日刊ゲンダイ

■卵黄や牛肉で腸内バランスを整える

 また、とりわけ冬は要注意。普段過ごしている部屋の室温に比べ、トイレの気温が低い場合が多いため、トイレに行っただけでも血圧は急上昇する。そうした「ヒートショック」に便秘によるいきみが加われば、危険はハネ上がる。

 さらに、便秘による腸内細菌のバランス崩壊が、心血管イベントリスクを上昇させるとも考えられている。

 腸管では1000兆個を超える腸内細菌が集まり、腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成している。腸内細菌は、乳酸菌などの善玉菌、大腸菌などの悪玉菌、バクテロイデスなどの日和見菌に大きく分けられ、構成バランスが崩れて悪玉が優勢になると、日和見菌は悪玉的な働きをするようになる。

「便秘による腸管の変化は、腸内フローラの構成に悪影響を与え、悪玉菌を優勢にしてしまうと考えられます。腸内フローラのバランスが崩れると、卵黄や牛肉といった食品から摂取したホスファチジルコリン(レシチン)を腸内細菌が代謝する際、TMAOという物質が産生されます。このTMAOの血中濃度が高いと、心血管イベントの発症が促進されることが分かっているのです」(東丸教授)

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