■初診時の「対面診療なし」でも可
しかも、これまでは初診時の対面診療が絶対条件とされていたが、新通達では必ずしもそうではないと明示されている。
「遠隔診療が実現すれば、その効果は計り知れません。通院が難しい僻地や孤島への診療が容易になり、その医療水準は格段に上がるでしょうし、都会の独居老人、体が不自由な人にも役立つでしょう。コストの問題などで自宅で遠隔診療が受けられなくても、公民館などで遠隔診療ができれば、そこに新たなコミュニティーが生まれ、住民の健康意識も高まる。慢性的な医師不足の切り札にもなります。出産や子育てなどで医療現場を離れざるを得ない女性医師、高齢な医師の再活用にもつながるからです」
むろん、遠隔診療がさまざまな医療ビジネスを生むのは間違いない。
例えば、小型のデジタル体温計と聴診器をスマホに接続し、心音、肺音、体温という基本的な健康データを記録。それを医師と共有することで、遠隔医療サービスを受けられるようになるかもしれない。あるいは、遠隔医療による医師の監督・指導の下、看護師らの採血や注射が可能になる可能性もある。団塊の世代が75歳を越え、医療混乱が予想される2025年問題解決の一手との期待も膨らむ。
どうなる! 日本の医療