真似したい伝承療法

石川県のいしり

石川県のいしり(C)日刊ゲンダイ
うま味の秘密は「遊離アミノ酸」の含有量

 古くから魚醤が造られてきた石川県の能登半島。その中でも、イカの内臓を使ったものは「いしり」と呼ばれ、能登町の小木港や宇出津港では、自然発酵による昔ながらの製法で今も造られている。

 秋田県のしょっつるなど、国内にも魚醤はいろいろあるが、イカを素材にしたものは、いしりだけだという。能登では昔からイカが豊漁だったためかもしれない。

 都内在住で石川県出身の会社員、川端二郎さんはこう話す。

「イカの香ばしさがすごく感じられる魚醤です。食欲がないときでも、匂いを嗅ぐだけで食欲がそそられます。いろんな料理に合い、私の元気の源でもあります」

 いしりのうま味の秘密は、遊離アミノ酸の含有量にある。遊離アミノ酸はいろいろ種類があるが、それぞれ固有の味を持っており、総合的にうま味を形成している。

 実は、いしりの総遊離アミノ酸量は、海外や国内のほかの魚醤と比較し、その含有量が多いことが石川県工業試験場などの研究によりわかっている。

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宮岸洋明

1965年、石川県生まれ。出版社勤務後、95年、健康ライターとして独立。以来20年、健康雑誌などで取材・執筆活動を開始。本連載では、世界的な長寿国である日本の伝承料理がテーマ。「健康長寿の秘訣は“食”にあり」をキーワードに、古くから伝えられてきた料理や食材を実食し、その栄養価、食味や調理法を紹介。筆者自身も、約1年前から数々の伝承料理を食べ約20キロのダイエットに成功。メタボを脱出し、健康診断もオールA。