ドライマウスの原因は、1つに限らない。
「全体の1割はシェーグレン症候群という難病ですが、残り9割は『薬の副作用』『ストレス』『軟らかいものを好み噛む回数が減少したこと』『インターネットなどの普及でコミュニケーションの機会が減少したこと』などが複合的に絡み合っています」
特に噛む回数やコミュニケーション機会の減少は、ドライマウス患者の増加に大きく関係している。
「唾液腺の機能は筋力に裏打ちされています。しかし、噛む回数やコミュニケーション機会が減少すると、口や舌を動かさなくなり筋力が衰える。ここに加齢が加われば、筋力は一層衰えます」
重度になればドライマウス外来などでの積極的な治療が必要になるが、基本的な対策は、ストレスを軽減し、よく噛み、よく話すことだと斎藤教授は強調する。