天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心臓手術は「3割負担」で100万~150万円

順天堂大医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 また、ペースメーカーの埋め込みや人工弁置換術の予定手術を受けるときは、所得や住民税課税などの条件によっては、「自立支援医療」として医療費の自己負担額が軽減されるケースがあります。対象になる疾患や年齢、自己負担限度額は、自治体や世帯所得によって異なります。自分がこの制度を使えるかどうかは、治療を受ける病院や自治体の窓口に相談してみてください。

 こうした公的な保険制度とは別に、自分が加入している民間保険や勤務している職場で補助が出る場合もあります。病気になる前に、自分がどんな保障を受けられるかどうかを確認しておくことは、病気に対する漠然とした不安を解消することにつながります。病気になってしまったときは、患者さん自身が確認、手続きするよりも家族が手分けして行う方が治療に専念できて良いでしょう。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。