気管支ぜんそくを引き起こす室内の原因物質(アレルゲン)は、ハウスダストやダニだけじゃない。台所などに潜むゴキブリもアレルゲンになる可能性があるので、対策が必要だ。室内の害虫の生態や駆除を研究している「日本環境衛生センター環境生物・住環境部」の武藤敦彦部長が言う。
「ゴキブリは欧米ではぜんそくの陽性率が高いことが知られ、対策が行われています。日本では問題にされることが少ないが、国内の小児ぜんそく患者を対象とした研究でも約20%の陽性率があることが報告されています」
ゴキブリの虫体や糞に接触・吸入することで、アレルギーを引き起こす。日本の室内にすみつくゴキブリは、大型で黒光りした「クロゴキブリ」と、小型で茶色い「チャバネゴキブリ」の2種類がほとんどだ。
「一般家庭でよく見られるのはクロゴキブリで、チャバネゴキブリは主にビル内や飲食店の厨房にいます。チャバネゴキブリは繁殖力がすごいのですが、寒さに弱いので一般家庭では越冬できないからです」
健康は住まいがつくる