薬に頼らないこころの健康法Q&A

不合格がわかっているのに難関校を受けるべきか

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ
周囲に追い抜かれ、ひとり落ちるのはつらい

【Q】
 受験間近の中学生です。地元の県立P高とともに、隣の県の最難関の私立Q高を受験するつもりでしたが、迷っています。塾で僕は一番できる生徒で、早くからP高校は当確といわれていました。夏休みごろから、少し欲を出してQ高校も受けてみようかという気になってきました。でもQ高校の入試は県立の入試とは違って癖があり、思うように勉強が進みません。そうこうするうちに、もともと僕よりできなかった塾の仲間のA君、Bさんが秋ごろから力をつけてきて、僕を追い抜いてしまいました。彼ら2人は、最近になって僕と一緒にQ高校を受けると言い始めました。このままでは多分、A君、Bさんは合格します。早々に「Q高校を受ける」と宣言した僕は、ひとり落ちることになるでしょう。それはつらいです。いっそのことQ高校は断念しようかとも思っています。

【A】
 Q高校を受けるかどうかは、どちらでもいいと思いますが、あきらめるのは早い気もします。受験は勝負事。やってみなければわかりません。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。