脳脊髄液減少症が治る「ブラッド・パッチ」って何だ?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「当院でも、全く別の病気で通院していた人をたまたま検査したら脳脊髄液減少症だった、という患者さんが年に数人はいます。患者は10万人や20万人は確実にいるだろうとみているのです」

 今回、保険適用の見通しになった「ブラッド・パッチ」は、患者自身の静脈血を硬膜外に注射する方法。注入された血液が穴をふさぎ、髄液の漏れを防ぐ。注入した血液は1週間ほどで溶けるが、血液の繊維部分が残り、それをベースに組織が再生され穴はふさがれる。1回で終わる人もいれば、数年がかりで行われることもある。

「髄液の漏れが長く続いていた人は、治るのにも時間がかかりやすい。早期発見が肝要です」

 ただし、後ろに倒れる事故後、急に症状が出てきた時は焦ってはいけない。緊急治療を要する病気ではないことを確認した上で、脳脊髄液減少症の治療を行っている病院を受診するより先に、1週間ほど寝て体をあまり動かさず安静にするべきだという。ブラッド・パッチをせずとも、髄液の漏れが止まる可能性がある。

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