脳脊髄液減少症は、脳と脊髄を包む硬膜の中を満たす脳脊髄液が硬膜の外に漏れることで起こる。原因不明の突発性もあるが、多くは強い体への衝撃が原因になる。「後ろに倒れる」事故がほとんどで、交通事故、酔っぱらって倒れた、腰を強く打ち付けたといったパターンだ。
■スノボやスキーが原因に
子供の患者もいて、その場合、いじめで倒された、授業やクラブでの柔道、バスケ、サッカー、剣道、跳び箱、マット運動がきっかけになることも。今の時期なら、スノーボードやスキーが原因になりやすい。
「身近な出来事が発症原因になりやすく、決して珍しい病気ではありません。ところが、脳脊髄液減少症を熟知している医師は少なく、診断に至りにくい。『怠け病』と言われ、不登校になっているお子さんもいます」
診断をさらに難しくしているのは、症状の出方が患者によってさまざまである点だ。原因の事故などから月・年単位で時間を置いて症状が出てきたり、突然症状が強くなったり、軽い症状が続いて本人が「虚弱体質」と受け止めていたりする。