病院は本日も大騒ぎ

お手伝いさんと勘違い…“ナースに嫌われる”患者のタイプ

入院患者の手本になる人もいるが…
入院患者の手本になる人もいるが…(C)日刊ゲンダイ
生半可の医療知識を振りかざすと嫌われる

 こんにちは! 町のクリニックから関東圏の総合病院に移り、通算看護師歴20年になる師長のマサコです。

 入院患者さんには、それこそ“怖いお兄さん”から大学教授、会社の社長さんまでさまざまな人がいます。でも看護師は、患者さんを選ぶことができません。

 看護師にとって、どのような入院患者さんが扱いやすく喜ばれるのかをご紹介しましょう。

 まず嫌なタイプは、とにかく威張る人、暴言を吐く人、看護師をお手伝いさんと勘違いしている人ですね。また、インターネットからの情報や医学書を読み、生半可な知識を得て治療法に反論してみたり、看護師の指示にいちいち反発する人も嫌われます。

 逆に好まれる入院患者さんは、担当医師や看護師の指示に素直に従う人でしょうか。

 こんな事例を紹介します。30代の女性が入院してきたとき、「5年ほど前、同じ名字の方が入院していましたが親戚の方ですか?」と聞いたところ、「それは私の父です。もう亡くなりました」とのことでした。

 少し変わった名字だったので記憶に残っていたのですが、なによりもその方は入院患者のお手本にしたいほどだったため記憶に残っていたのです。

 高齢者のその方は、1年間に2度ほど入院を繰り返しました。職業軍人の経歴を持つ人で、大きな胃の手術を受けた直後でも、術後の「痛み」を訴えて看護師を煩わすことは一度もありませんでしたね。

 若い看護師と接するときでも、言葉は常に敬語でした。娘さんが毎日のように見舞いに来て、看護師たちにお菓子類をよく届けてくれました。お父さんの指示だったのでしょう。

 担当の看護師が出産したときは、しばらく勤務を休んでいたのに出産のことを覚えていて、お祝い金を包んでくれました。こういう入院患者さんは何年経っても忘れられませんね。