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【顔面神経麻痺外来】帝京大学医学部付属病院・リハビリテーション科(東京都板橋区)

帝京大学医学部附属病院の栢森良二客員教授(提供写真)

 ウイルスによって顔面神経に炎症が起こると、浮腫が生じて膨張する。しかし、周囲が硬い骨で囲まれているため、膨張した神経が圧迫されて損傷することで麻痺が起こる。その損傷の程度によって重症度が異なる。

 炎症が治まると損傷した神経は自然に修復・再生へ向かうので、発症3カ月目までは症状がだいたい回復していく。しかし、重症で再生がうまくいかないと、4カ月目以降に後遺症が出現するという。

「後遺症は、神経の修復過程で本来の場所とは違う神経とつながってしまうことで起こります。ですから、目を閉じると額が上がったり、口が曲がったりするなどの病的共同運動が生じます」

■見違えるほどきれいになるケースも

 リハビリは、顔の表情筋の伸張マッサージ(ストレッチ)などの指導を行い、急性期では神経の正常な再生を促し、4カ月以降の慢性期では病的共同運動を目立たないようにする。

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