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【顔面神経麻痺外来】帝京大学医学部付属病院・リハビリテーション科(東京都板橋区)

帝京大学医学部附属病院の栢森良二客員教授(提供写真)

 顔の見た目の症状だけでなく、患者が自覚する顔のこわばりや疲れ、肩にかけてのコリも改善するという。

「神経の自己修復期間は14カ月くらいなので、それ以降の改善を望む場合はボトックス注射を検討します。微量のボツリヌス毒素製剤を顔に必要に応じて20カ所くらい注射して、筋力を弱めることで表情筋のバランスを整えるのです。持続期間は3~4カ月ですが、5年、10年と悩まされていた人が見違えるほどきれいな顔になります」

 顔面神経麻痺の後遺症が残ると対人関係が消極的になり、うつ病を発症するほどQOL(生活の質)を低下させる。

 栢森医師は、日本顔面神経学会の講習会や大学などの教育機関で、顔面神経麻痺のリハビリ法やボトックス注射治療の普及に努めている。

■データ
 帝京大学医学部の本院(1971年開院)。
◆スタッフ数=医師6人(うち顔面神経麻痺外来の担当医1人)、理学療法士20人、作業療法士6人
◆年間初診患者数=約2500人(うち顔面神経麻痺の新患割合10%)

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