このことを病気の治療に当てはめてみましょう。たとえば「赤身の肉を多く食べる人はがんが多い」という研究結果は、「新月の夜に犯罪が多い」というのに対応しています。さらに「赤身の肉をやめるとがんが減るか」については、この結果からは全く何とも言えません。
それなのに、「赤身の肉を多く食べる人はがんが多い」なんて聞くと、すぐに「赤身の肉をやめてがんを予防できる」などと思ってしまう人が多いのではないでしょうか。しかし、ことはそんなに単純ではないのです。
実は、「天文犯罪医学」なんて雑誌はありません。私の創作です。しかし案外だまされた読者の方も多いのではないでしょうか。私はウソであることをバラしましたが、真実を伏せて延々ウソをつき続けている人たちも多いのです。気を付けましょう。
医療数字のカラクリ