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そもそもの疑問 感染症はなぜ「冬」に流行するのか?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 風邪やインフルエンザが流行するのは、決まって冬。いったいなぜ? その意外な理由を、JCHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の石井正則先生が教えてくれました。

「冬は空気が乾燥しているからです。乾燥した空気を吸い込むと、鼻の奥の『ベルトコンベヤー』機能が低下してしまうのです」

 鼻の奥にウイルスや細菌が侵入すると、ベルトコンベヤーのように繊毛が動いて、粘液とともに奥へ奥へと送り込まれます。そうして胃に進んだウイルス類は胃酸で死滅します。この鼻腔からの粘液の分泌量は、なんと1日約1500㏄。鼻水や痰として体外に出すだけではなく、鼻腔や咽頭を潤し、胃に落ちる量もかなり多いのです。

「ところが、鼻の奥が乾燥すると繊毛運動が十分に働かず、粘液も不足してしまいます。すると上咽頭(咽喉の奥)にウイルスがたまり、繁殖します。これが感染症の最も多い原因です」

 寒くなると外気中のウイルスが増えるのかと思ったら、体内で増えるのです。

「ウイルスにとっても、寒冷で乾燥した外気中より、適温・多湿の体内のほうが繁殖しやすい。だから上咽頭にウイルスがたまらないように、鼻の奥を保湿して繊毛運動を促すことが大切です」

 そのためにおすすめなのは、やっぱりマスク。鼻を通る空気の湿度を保つ効果が絶大です。あとはうがいをして上咽頭を洗い流しましょう!