交換する弁が1個と3個では、30万円近い差があります。悪徳な病院は、こうした差額に目をつけて悪用しているのです。本来なら1個だけ弁を交換すれば問題ない患者さんに対し、他の健康な弁にも「検査で異常が見つかった」と説明して“偽病名”を付け、残りの2個の弁も交換するような医療行為です。そうすれば、1人の患者さんにつき30万円ずつ多く診療報酬を請求できます。
これを5人に繰り返せば、150万円になるわけです。
手術が行われる前には、どこにどれだけの費用がかかるのかを細かく記載した「レセプト」(診療報酬明細書)が作成されます。患者さんにもレセプトをお渡しして手術の説明をします。
保険機関は、このレセプトを確認して病院の不正請求をチェックしていますが、基本的には「レセプトの病名は正しい」という前提に立っています。そのため、病院側が本来なら問題ないくらい小さな異常を検査で見つけ出し、それに病名を付けてしまえば、すんなり通ってしまうのです。
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