脳を育てれば健康になれる

気分が良いときの勉強で「記憶力がアップする」不思議

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「実際には、マリフアナや覚醒剤を使い続けると、次第に脳が破壊されるので、結局は記憶力の深刻な低下を招きます。しかし、実験結果が、“気分がふさいだとき”や“勉強したくないとき”に勉強させても効率は上がらないことを証明している点には注目すべきです。体を動かすのが好きな子供は、スポーツのあとに勉強した方が効率が良いことも実証されています」(吉田院長)

 人間の記憶は脳の「海馬」という場所で処理される。米ピッツバーグ大学の研究チームの報告では、有酸素運動を毎日40分ほど続けると、そうでない場合に比べて海馬が2%も大きくなったという。また、運動をすると記憶力を左右する「脳由来神経栄養因子」の働きが良くなることが分かっている。

 しかも、運動をすると脳の働きを妨げるストレスを抑える作用のある物質が分泌される。つまり、運動は脳に記憶力のアップだけでなく、やる気、元気を出す働きがあるというわけだ。

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