早期がん発見容易 最新機器「NBI内視鏡システム」の実力

元気でも安心できない(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 複数の医療機関から、「通常の内視鏡では発見が難しかったがんをNBI内視鏡システムで確認できた」という論文が発表されているという。別の施設の試験では、従来の内視鏡検査による咽頭・喉頭がんの早期発見率が8%に対し、NBI内視鏡システムでは100%。食道がんでは、従来検査55%に対しNBI内視鏡システム99%という歴然とした差が出ている。

 しかし、拡大内視鏡が搭載されていることで、内視鏡の直径が大きくなる。拡大内視鏡は直径約10ミリ、ごく細いものでは直径約5ミリ程度なので、2倍大きい。

「当院では検査時に静脈注射で鎮静剤を投与するので、内視鏡の直径が大きくなっても、患者さんのつらさが増すわけではありません。鎮静剤でほぼ眠っている間に検査が終了します。鎮静剤の量もそれほど多くありませんから、高齢者でも検査後はすぐに起き上がって帰ることができます。車の運転だけは控えてもらっています」

 NBI内視鏡システムそのものは取り入れている医療機関が増えているが、拡大内視鏡まで搭載しているかとなると、大学病院など大規模な医療機関がメーンになる。

 検診として受けるなら自費だが、症状があって受ける場合は、通常の内視鏡検査と同様に保険適用になる。

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