薬に頼らないこころの健康法Q&A

入試前日に眠れない!? 就寝「16時間前」に起きるリズムを作る

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 5時起床を繰り返せば、その16時間後の21時に眠くなるリズムができあがります。君の体は16時間連続して起きていると、力尽きて眠るようにできているのです。5時起床だと、21時ごろには眠くて仕方がなくなります。もし仮に、試験前夜の高ぶりで眠れなくなったとしても、1時間後には眠れるでしょう。最悪の場合でも、18時間も連続して目覚めていられませんから、23時には力尽きます。その場合は、6時まで眠って、トータル7時間のまずまずの睡眠時間を確保することができます。

 睡眠不足のぼんやりした頭で入試に向かうのは危険です。私の場合、最初の科目の英語で想定外のリスニング問題が出て、ここで不注意なミスを連発し、見事に落ちました。寝不足だと、想定外の事態に直面してパニックに陥りやすいのです。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。