脳を育てれば健康になれる

落ち着きのない子供の方が集中力が高い? ADHDの可能性

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 人間は「活発に動く」ほうが脳に刺激を受け、より脳が発達する。逆にジッとしていると、健全な脳の発達はのぞめない。大昔のローマ人は「健全な精神は健全な身体に宿る」と言ったが、最近の研究では、「適度な有酸素運動」が「健全な脳をつくる」ことが明らかになりつつある。

 そのひとつがアイルランド・ダブリン大学の研究チームが行った研究だ。普段、運動とは無縁の学生に他人の顔写真と名前のセットをスライドで見せ、その後、顔写真だけを見せて名前を当てさせるテストを行った。さらにその後、被験者の半分を30分間エアロバイクに乗せ、残り半分は休息させて再び同じテストを行ったところ、エアロバイク組のほうは成績がアップし、休憩組は変わらなかった。

 興味深いことに、エアロバイク組の血液中には神経細胞(シナプス)の機能向上に欠かせない「BDNF」という脳で生成されるタンパク質の一種の成分の値が著しく増えていたという。

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