「一夜漬けでいっぺんに知識を詰め込むより、今日少し勉強して明日また少し勉強するほうがいいんじゃないの?」
学生時代に母親にそういわれてカチンときた人も多いだろう。「勉強の仕方なんてわからないくせに……」とついつい毒づきたくなるが、実はこれ、ある意味、真実を言い当てている。
実際、一夜漬けで知識を詰め込むと、テキストを見たときに「ああ、これは見たことがある」という親しみがわく。しかし、そのことと、素早く思い出すことは別物だ。
では、効率良く記憶するにはどのような勉強法がいいのだろうか。
そのヒントになるのが、ピョートル・ウォズニアックという人物が「英語の単語を記憶するために、どのような間隔で勉強、復習すればいいか」を研究した結果だ。
それによると、最初に勉強した1、2日後に復習し、さらに1週間後、1カ月後に復習すれば、記憶はより長くとどまるという。少しずつ勉強して、忘れかけたときに復習を繰り返す。これは分散学習法と呼ばれる方法で、その後もさまざまな研究が行われている。心療内科医師で「本郷赤門前クリニック」の吉田たかよし院長が言う。
脳を育てれば健康になれる