脳を育てれば健康になれる

一夜漬けよりも効果的 「分散学習」で記憶する脳のシステム

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「分散学習法は進学校などで昔から行われている方法で、効果があることはすでに証明されています。私が通っていた灘中、灘高でもそうした指導を行っていました」

 分散学習が優れているのは記憶が長期間定着するということ。なぜか。

「一度覚えた知識は脳の海馬に仮置きされ、そのまま放置すると長くて4週間で消えてしまいます。この知識を寝ている間に大脳新皮質に移し替えることで、安定した知識になるのです。だから、睡眠時間を削って覚えたものは泡のように消えてしまうのです」(吉田氏)

 脳は筋肉と同じで、長時間、同じ部位を使用していると神経の疲労を引き起こす。これを防ぎ、毎晩、知識を少しずつ大脳新皮質に移し替えていく「分散」方式のほうがはるかに記憶効率が高まるというわけだ。睡眠時間は7時間半が理想、4時間など論外だという。

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