医療数字のカラクリ

健康食品やサプリメントの広告 “著名人の体験談”は怪しい

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 少し冷静に考えれば、本当に効果があるかどうかを単なる体験談で判断することなんかとてもできないというのは、当たり前のように思えます。実際、こうした体験談を使った商品の広告では、その片隅に必ず以下のような記載があることに皆さんお気づきでしょう。

「これは個人の体験で、一般的な効果を保証するものではありません」

 広告主も、体験談は個人の勝手な意見で、本当の効果はどうか分からないということを、見えにくい小さな文字で必ず言い訳しているのです。そんな健康食品やサプリを飲むくらいなら、何かおいしいものでも食べたほうがいいと思うのですがどうでしょうか。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。