当事者たちが明かす「医療のウラ側」

米大学が健康リスク指摘 高齢者の“免許証返納”が抱える問題

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
自動車免許を返上した高齢者に対し、社会全体で考えるべきこと

「反射神経が衰え、視野が狭くなった。事故が怖いし、そろそろ自動車運転免許証を返上しようかな」

 そんな高齢者が増えています。高速道路での逆走や、ブレーキとアクセルの踏み間違えといった高齢者の自動車事故の多発を受け、警察も積極的に自動車運転免許証の返納を呼びかけていて、さまざまな工夫をしています。

 例えば、免許証の有効期限内に運転免許証を返納し、その日から5年以内に運転免許試験場に申請すれば「運転経歴証明書」が有料で交付されます。

 これを提示すると、「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」の加盟店で特典が受けられます。銀行金利が上乗せされたり、ホテルのレストランの料理や引っ越し代が割引されたり、ドリンクが無料サービスされたりするのです。

 それはそれで結構な話だと思いますが、自動車運転を中止した高齢者は抑うつ症状が出て、健康リスクが高まりやすいことを忘れてはいけません。先日も米国のコロンビア大学医療センターの研究者が報告しています。

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