勉強する前にテストを受けると理解力が深まる。不思議なことだが本当だ。なぜこのようなことが起きるのか? 心療内科医師で「本郷赤門前クリニック」の吉田たかよし院長が言う。
「理解したつもりなのに、いざテストになると全然できない人がいます。これは『流暢性の幻想』が起きているからです」
「流暢性」とは情報を適切に素早く処理し出力する能力のこと。その『幻想』というのは、事実や公式、要旨がその場ですぐに思い出せると思い込んでしまうことをいう。
実際は、本番の試験では忘れたり、よく理解できていなくて思い出せなくなることが多い。いわゆる「分かったつもり」になってしまうのだ。
「覚えた直後の復習ですぐに思い出せたことで安心してしまう。本当は理解していないのに、さっさと終わらせることでますます物事の本質が分からなくなる。それが流暢性の幻想です」
脳を育てれば健康になれる