福井県の伝統食といえば、越前ガニなどの海産物を連想しやすい。しかし、あまり知られていないが、地元で栽培したカラシの種子を主原料とした「地ガラシ」も忘れてはいけない逸品だ。
地ガラシは、カラシの種子を丸ごと粗びきして作られるので、ダイレクトに風味が伝わる。福井県の物産展で、地ガラシを購入した会社員の小川哲二さんも、その自然な味わいに引かれた。
「ただ辛いのではなく、上品な香りやほんの少しの苦味も伝わり、いい意味での複雑な味わいがたまりません」
作り方は、地ガラシと熱湯を2対1の割合で混ぜて、すりこぎ棒などでよく練る。その後、1時間以上寝かせればOK。
味もさることながら、栄養面も優れている。
まず、辛味成分のアリルイソチオシアネートに注目したい。これは殺菌作用に加え、細胞を酸化させる活性酸素の害を抑えてくれるという。
真似したい伝承療法