薬に頼らないこころの健康法Q&A

進学校卒業もひとり就職…田舎に残る高校3年生の悩み

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ


 東北の旧P村(Q市に併合)に住む高校3年生で、農家の後継者です。父からは「高校までしかやれない」と言われていて、僕も商業高校に行くつもりでした。でも、成績がよかったので、中学の先生にQ高校を勧められ、受かってしまいました。Q高は毎年東大にも何人か行くほどの進学校で、僕は中ほどの成績でした。3年になって、担任の先生からは「地元の国立R大学を受けないか」と勧められました。父に相談しましたが、やはり「金がない。就職してくれ」と言われました。結局、公務員試験を受けて地元の国立病院の事務部に就職することになりました。同級生のほとんどは大学に進みます。高校卒業後、みんなは都会へ、僕はひとり村に残る。これからどう生きていけばいいのか悩んでいます……。


 まずは、卒業式までは「忍の一字」で耐えること。「A君は東京の大学に受かった」「Bさんは仙台の看護学校に進む」など、さまざまな情報が耳に入ってきます。ひとり残る君はつらいと思う。でも、この時期のつらさは卒業式の日までです。その日に最高潮に達して、その後は急激に薄らいでいきます。気が付いたら、病院の入職日が目前に迫っていることでしょう。

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井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。