薬に頼らないこころの健康法Q&A

進学校卒業もひとり就職…田舎に残る高校3年生の悩み

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

 4月からは、仕事、仕事の毎日です。書類が大量にあります。書類仕事には高度の正確性を要するものもあれば、多少ルーズでも許されるものもあります。去年の書類とほぼ同じ文面でよいものもあれば、一から作らなければならないものもあります。締め切りの厳しさも仕事によってまちまちで、絶対に遅れてはならないものもあれば、催促されてからでも遅くないものもあります。

 常時、複数の案件を抱えて、それぞれに求められるアキュラシー(正確性)とパンクチュアリティー(時間厳守)が違います。それに応じて労力を比例配分させなければなりません。こういうことを日々、仕事を通じて覚えていくわけです。

 君の場合、職場ではQ高出身の大型新人として、皆の期待を一身に担うことでしょう。ルーティンワークをこなす以上のことが求められます。そうなれば、関連法規の勉強などにも着手してみましょう。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。