有名病院 この診療科のイチ押し治療

【慢性肝炎】武蔵野赤十字病院・消火器科(東京都武蔵野市)

(提供写真)

 慢性肝炎を放置していると、肝臓組織が硬くなる“線維化”が進む。たとえ治療でウイルスが消えても、線維化の程度によっては、その後に発がんする人がいるという。そのリスクを肝生検の結果や腫瘍マーカー、線維化マーカーを使って評価する。

 リスクが高ければ、半年に1回くらいの割合で超音波検査と血液検査でフォローアップする必要がある。その的確な評価ができるのも、肝炎患者が多く集まるハイボリュームセンターとしての経験と実績があるからだ。

■治療による薬剤耐性強化が問題に

 では、「薬剤耐性の問題」とはどういうことか。従来の慢性肝炎の治療は、体の抵抗力を高めるインターフェロン(注射)が主軸だったが、吐き気や発熱などの副作用が出やすく、使えない人も多かった。それが、C型(1b型)では2014年9月に抗ウイルス薬の飲み薬(2剤併用)が保険適用になり、一気に治療の主流になった。現在、この薬に耐性を持つウイルスが増えているのだ。

2 / 3 ページ