睡眠は人間にとって3大欲求の一つであり、欠かせないものです。ただ、睡眠障害に悩んでいる人はたくさんいて、睡眠薬が活用されます。
中でも、「ベンゾジアゼピン系薬」と呼ばれる薬が多用されていて、有名なものとしては「レンドルミン」(一般名:ブロチゾラム)や「ハルシオン」(一般名:トリアゾラム)などがあります。服用している患者さんが多い薬なだけに、飲み合わせに注意が必要です。たとえば、真菌感染症の治療に使用される「アゾール系抗真菌薬」、胃腸薬として用いられる「シメチジン」、感染症治療で多用される「マクロライド系抗生物質」などが挙げられます。
睡眠薬(ベンゾジアゼピン系薬)は特定の酵素によって代謝されます。しかし、先に挙げたアゾール系抗真菌薬、シメチジン、マクロライド系抗生物質は、「睡眠薬の代謝に関わる酵素」の働きを阻害する作用があります。つまり、睡眠薬がなかなか代謝・分解されにくくなるため、血液中での睡眠薬の濃度が上昇して薬の作用が強くなり、副作用が表れやすくなるのです。
過度の眠気や呼吸抑制が起こる可能性があり、場合によっては命に関わるような副作用もあります。甘く考えてはいけません。
また、市販薬の睡眠薬には「抗ヒスタミン薬」という成分が含まれています。主にアレルギー治療に用いられている薬ですが、副作用として眠気が知られています。そこで、この眠気の作用を主作用として応用し、睡眠薬として売り出したのです。そのため、市販の睡眠薬とアレルギー薬を服用すると、成分が重複することで作用が強くなりすぎてしまう恐れがあります。
処方薬でも市販薬でも、睡眠薬は飲み合わせが問題になるケースが多いといえます。服用にはくれぐれも注意しましょう。
怖い薬の飲み合わせ