独白 愉快な“病人”たち

女優・シャンソン歌手・画家 藤田三保子さん(62) 膠原病

藤田美保子さん(C)日刊ゲンダイ
ガリガリだったのに歩くと内股がすれてむくみを実感

 25歳のときに麻疹(はしか)にかかったんですよ。思えばそれが、この病気を知るきっかけでした。ちょうど結婚して家庭と仕事との両立を始めた頃。麻疹の後、「念のため」と言われて尿検査をすると、高タンパク尿だったんです。医師から「だるくないですか? むくみはないですか? 関節は痛くないですか?』とさんざん聞かれましたが、そのときは本当になんでもなかったので、ときどき尿検査をしながら様子を見ることになりました。

 もともと、疲れ知らずで病気とは無縁。まだ若かったですし、朝から翌朝まで働くハードな時期だったので、多少のだるさはストレスや疲労を回復する時間がないせいだと思っていました。

 自覚症状があったのは、その2年後。深夜まで撮影があり、午前3時に宿泊先のホテルの大浴場に入ったときでした。湯船から出て脱衣所へ向かう途中、歩くと内股がすれるんです。その頃は、ガリガリに痩せていたので“あれ? 変だな”と思って脛を押すとへこんで戻らない。それが、人生初のむくみの実感でした。「むくみが出たら要注意」と言われていたので、“まだ撮影は続くし、まずいな”と思いました。

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