脳を育てれば健康になれる

<第9回>楽観的になることが健康長寿につながる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 その結果、「楽観的な人は、悲観的な人よりも寿命が長い」とする研究は少なくない。

 そのひとつが、同じ生活を続けたと思われる修道女180人の手記を分析した研究だ。「寂しい」「つらい」「悲しい」という言葉を多く使う群と「楽しい」「うれしい」「幸せ」という言葉を多く使う群に分けて、60年後の生存率を調べたところ、前者が34%、後者は90%と楽観的な人の方が断然長かったという。しかも、後者は健康状態も良かった。

 楽観的な人は、ストレスを受けた時に分泌されるホルモンの量が相対的に少ないとの研究もある。米国イリノイ大学の研究チームが45~84歳の男女5100人を11年間追跡した研究では、楽観的な群の血圧や血糖値、コレステロール、BMIなどは悲観的な群より低いと報告されている。

“でも、私は楽観的な生き方などしていない”という人もいるかもしれない。

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