脳を育てれば健康になれる

人は思い込みだけで死んでしまう

病は気から…(C)日刊ゲンダイ

 前回、「楽観的な脳が健康長寿を実現する」ことを紹介したが、逆に「悲観的な脳は不健康短命を実現する」ことになるのだろうか?

 その例として挙げられるのが、レベック・フェルカーという学者の報告だ。米国のフラミンガム心臓研究所が1948年にスタートした大規模調査データをもとにした報告で、「自分は心臓病にかかりやすい」と信じている女性の死亡率はそうでない女性の4倍に上ったという。

 これは、オックスフォード大学感情精神科学センターのエレーヌ・フォックス教授の著作「脳科学は人格を変えられるか?」(文芸春秋)に記されている。

 この本のなかでは「末期の肝臓がんで余命数カ月」と宣告された患者が気落ちした結果、体力を失い、宣告された余命すらまっとうできずに亡くなった例も紹介している。

 その後、肝臓がんは誤診だったことが判明。「自分はがんで死ぬ」という思い込みだけで死んでしまったことがわかったという。

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