Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【渡辺謙さんのケース】白血病治療が新たな胃がん“誘発”か

 渡辺さんは、妻で女優の南果歩さん(52)の勧めで人間ドックを受けたそうで、「(早期発見について)この段階での発見は奇跡、点検は大事ですわ」とツイッターで語っていました。それを受け、南さんは「この出来事が、検診を中々受けられない方達への『受診のきっかけ』になれば」と続けています。

 抗がん剤や放射線の治療後のがんの誘発は、白血病治療に限ったことではありません。どのがんによる抗がん剤、放射線でもありうることです。ですから、渡辺夫妻が語っているように、がん治療後の定期検査は必要不可欠です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。