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体に良い油、悪い油の違いと適切な取り方

マーガリン
マーガリン(C)日刊ゲンダイ

 さまざまな体に良いオイルが雑誌やテレビなどで取り上げられていますが、それよりも大事なのが、「どんな食材にどんな脂質が含まれ、どんな取り方をしているのか?」です。特に、勘違いされている動物性の脂質について紹介したいと思います。

 まずは、マーガリンとバターについて。バターよりマーガリンの方がヘルシーと考えている人がいます。しかし、それは間違いで、使うならマーガリンよりバターの方がベター。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸は油脂を加工・精製する工程でできるもので、2008年には虚血性心疾患や心臓性の突然死を増やすと報告されています。

 アメリカでは2018年までにトランス脂肪酸の食品添加を全廃するようですが、日本ではいまだに規制がないため、自分で注意するしかありません。外食で使われている油やインスタント食品などに含まれる油など、トランス脂肪酸かどうかがはっきりしないものは、避けた方が虚血性心疾患などの予防につながるでしょう。

 次に、なんといっても動物性食品から取ってほしい脂質の代表は、青魚の脂です。その中に含まれるEPAとDHAは、オメガ3系の脂質として脳にも血管にも良いことは知られています。EPA、DHAは熱に弱いため、一番良い食べ方は刺し身です。焼き魚にするなら、脂が落ちてしまわないようにホイル焼きにし、レモンと大根おろしで脂ごとソースにしていただくのがおススメです。

 さらに、ほかの動物性の脂質で取ってほしいのが、卵の黄身や白身魚、肉に多く含まれている脂質のアラキドン酸。細胞膜を構成するリン脂質の一種で、学習機能、記憶力、活力などに関係し、脳を健康に保つ作用があることが明らかになってきました。血液検査でも測定することができ、アラキドン酸とEPAの比が1対1になることが理想とされています。

佐藤智春

佐藤智春

スタイリストとして活躍していた32歳の時、働き過ぎで体調を崩しダウン。「分子整合栄養医学」に出会い、人体と栄養の関係を学び、実践を重ねながら健康を取し、血液栄養診断士の資格を取得。現在はクライアントの血液データから栄養を厳密に把握し、食と医療、ライフスタイルを具体的に提案。著書に「卵を食べれば全部よくなる」「男は食事で出世させなさい」「身長を伸ばす7つの法則」など。