ただ、ご心配なく。医師の世界には“文学者”もいれば“哲学者”もいるのです。君が高校で習った人物に限っても、森鴎外、斎藤茂吉、木下杢太郎などの近代文学史上の大立者がいます。現代作家でも加賀乙彦、北杜夫、帚木蓬生などは医師ですし、木村敏のように哲学者以上に哲学的な医師もいます。
人間についての広範な関心があって、それで文学や哲学に興味があるのなら、医師を続けながら文学的、哲学的な関心を深めていく道もあります。実際、医師になれば、自分の考えを活字にするチャンスは訪れます。そういうときに高校時代の哲学や文学の志を存分に遂げることもできると思います。
薬に頼らないこころの健康法Q&A