「がん保険に入ろうかどうか悩んでいるんだけど……」――。こんな相談を持ちかけられたら、あなたはどう答えますか。10年前なら、「保険料を損するだけだから、おやめなさい」と迷わず言い切ることができました。
ところが、この10年間でがん医療が急速に進歩した結果、生存率が目に見えて上がってきました。進行がんと診断されても、治療を続けながら、数年ないし10年以上も生存できる人が増え続けています。根治は無理でも治療によって生き永らえるチャンスは増えているのです。
■数万円の医療費を何カ月も何年も……
しかし、それにともない新たな「経済リスク」が生じます。
第1に「医療費」の問題です。生存期間が短ければ(早く死んでしまえば)、医療費はさほどかかりません。ところが、がんと何年も共生し続けるとなると、話は違ってきます。1カ月の医療費は数万円以内で済むとしても、それが何カ月も何年も続くのです。
がん保険 本当に必要ですか