病院は本日も大騒ぎ

数時間待ちが常態化…患者の人格まで変える長~い待ち時間

2~3時間待って3分間治療は珍しくない
2~3時間待って3分間治療は珍しくない(C)日刊ゲンダイ

 こんにちは! 町のクリニックから関東圏の総合病院に移り、通算、看護師歴20年になる看護師長のマサコです。

 病院に行って待ち時間が長いことに閉口したことはありませんか?

 実際、「2~3時間待って、3分間診療」は珍しいことではありません。患者さんへのアンケートでも、最も苦情が多いのが「待ち時間の長さ」なのです。そのため、看護師に八つ当たりする患者さんは少なくありません。

 とくに、外来の患者であふれ返る大学病院や治療科目が多い総合病院では、よくあることです。

 以前、ある患者さんから「いつまで待たせるんだ。オレは1時間以上待っているんだぞ。なぜ、後から来た患者が先に呼ばれるんだ」と食って掛かられたことがありました。その患者さんの叫び声で、警備員や事務方が集まってくる騒ぎになったのです。

 ウチの病院では、電光掲示板で呼び出し番号をお知らせします。「システムの故障か入力間違いがあったのか?」とも思いましたが、そうではありません。どうやらこの患者さんは別の診療科の電光掲示板を見ていて、自分の番号がとっくに呼び出しを受けているのに気がつかなかったのです。

「掲示板の場所が悪い」と文句を言いながらその患者さんは帰っていかれましたが、あとでその患者さんをよく知る看護師に聞くと「普段は穏やかな人なのに……」とビックリしていました。

 患者さんの人格まで変える「長い待ち時間」ですが、残念ながら解決策はありません。

 たとえば「血液検査」のあとに治療を行う外来患者さんの場合、血液を採取し、検査結果が出るまでに3時間くらいかかってしまうことがあります。

 しかも、その結果が出て診察室に入ってもらうのも、いつ呼び出されるかわかりません。昼時などでもお腹をすかして、ソファで順番待ちをするのも常態化しています。

 ようやく治療が終わると、今度は治療費支払いの順番待ちで、また時間がかかります。

 そのうえ、医薬局で薬を処方してもらうために、また順番待ちです。外来に行く患者さんにとっては受診は一日仕事になってしまいます。

 治療を待っている間に、高熱や痛みなどの症状が悪化する外来のケースも少なくありません。むろん、その場合は最優先して対症療法を行うことにしています。

 看護師もそうした事情をわかっていて、廊下やロビーを歩いているときでも笑顔を絶やさず、声掛けするなどかなり神経を使っているんです。待ち時間が長くてイライラする気持ちはわかりますが、看護師も努力していることをご理解いただければうれしいのですが……。