しかし、最近注目されている「内視鏡的洗浄液注入法」なら、自分で下剤を飲まなくてもいい。
「簡単にいえば、胃カメラを通して下剤を小腸と胃の中に注入する方法です」
つまり、口から入れる胃カメラとお尻から入れる大腸内視鏡をその日のうちに受ける形になる。
「最初に胃カメラの検査を受けてもらいます。胃がんなどの異常を調べつつ、下剤も入れる。下剤は注入後約1時間で排便が始まり、2~3時間で止まって前処置が完了するので、そこから大腸内視鏡の検査を受けてもらう形になります」
胃カメラを入れる時は、大腸内視鏡の時と同様に鎮静剤を投与するので苦しさはない。
胃カメラと大腸内視鏡の2つを受けることにちゅうちょする人もいるだろう。しかし、大腸がんのリスクが高くなる40代以上は、胃がんのリスクが高くなる年代でもある。そして、大腸がん、胃がんどちらも、日本人に多いがんだ。せっかく大腸内視鏡を受けるのだから、一緒に胃がんのチェックもしつつ、下剤を飲む苦しみからも解放される……と考えれば、「そういう手もある」と納得できるだろう。