まあ、問題なかったので良かったのですが……。ほんの一瞬、脳が詰まって、その後、戻ったんじゃないかと思われます。その後、薬を飲むこともなく、定期健診に通う程度で終わりました。大騒ぎして、なんだかオオカミ少年のような、歯切れの悪い病気でした。
この話を鳥越俊太郎さんにしたら、「早期発見のためにはそのくらい用心深いほうがいいんですよ」とおっしゃってくださいました。
でも、私は「心配症」っていう病気なんじゃないかって思うところが子供の頃からありましてね。高校生の時、祖父の死因が胃潰瘍じゃなくて胃がんだったことが判明したのをきっかけに、ゲップがよく出るので「自分も若年性のがんじゃないか」って思ったことがあったんです。
それで、「がんセンターに行きたい」と高校生の坊主が言うんですからおかしな話ですよね。まだインターネットもない時代にいろいろ調べ上げて母親を説得して茅ケ崎から築地まで検査に行きました。
独白 愉快な“病人”たち