医療数字のカラクリ

体験談は参考程度 自分にとって最善の治療を見つける方法

自分によく似た患者で治療効果を確かめる(C)日刊ゲンダイ

 そうなると、次に考えるのは「自分によく似た人でどうか確かめてみる」という方法です。少なくとも同じ病気の同じ状況の患者でどうか? がスタートです。自分自身が進行肺がんであるとすれば、進行肺がん患者で効果を確かめられた治療を、まず自分にもやってみようということになるわけです。

 自分にとって最善の治療を考えるとき、本当は自分自身で効果を確かめたいのだけど、それはできないので仕方なく自分によく似た患者で効果を確かめ、それを参考にする。これが、治療の効果を考えるときのスタート地点なのです。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。