漢方達人をめざせ!

めまいは「水の流れ」が肝心

めまいで悩む人は多い(C)日刊ゲンダイ

「めまい」は西洋医学ではなかなか改善されにくい症状です。そのため、「なんとかなりませんか」と漢方薬局に相談に来られる方が多い。ある大手漢方薬局では、すべての年代において悩みの相談件数トップ3に入っているそうです。

 Aさん(50代)も、めまいに悩むひとり。病院をいくつか転々としましたが、十分な効果を得られないため、体質改善を求めていらっしゃいました。

 東洋医学では、めまいには「水」の流れが悪いものと、「血」に問題があって起こるものと、2種類に分けて考えます。

 Aさんの場合、昨年の梅雨あたりからめまいがひどくなり、今でも雨が降ると、時に起き上がるのがつらいほどに症状が悪化するそうです。

 私の見立ては、「“湿”(湿気など)が体に害を及ぼす“湿邪”に変わり、体の中で水の流れが滞り、めまいとなって表れている」というもの。水の流れが悪くてめまいが起こっている人は、静かにしていると大丈夫なのに、立ち上がるとめまいが起こったり、動くとクラクラしたり、という共通点があることも多いのです。

 Aさんには「苓桂朮甘湯」という水や気の流れをよくする漢方薬をお勧めしました。いつの間にか程度が強くなっていためまいでしたが、改善するのも“いつの間にか”で、気が付くとめまいから解放されていたそうです。Aさんは、2カ月くらいで漢方薬を飲むのをストップしました。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。