これらの治療を受ける患者数は、以前は限られていました。ところがここ数年で人気が高まり、患者が増え続けています。〈表〉は2010年から2014年までに治療を受けた患者数です。この5年間で、実に2・3倍以上も伸びています。これには、がん保険の先進医療特約も貢献しているはずです。経済的余裕のある人以外では、先進医療特約の有無が、治療を受けられる条件のひとつになりつつあるのです。
がん保険の先進医療特約は、保障額が2000万円、あるいは無制限となっています。しかし、がんの治療でめぼしいものは、前述した2つの治療法しかありません。これらの治療を何度も受けるようなケースは、まず考えられません。実際に使えるのは、せいぜい1回分の約300万円というところです。
さらに昨年、日本放射線治療学会が、前立腺がん・非小細胞肺がん・肝細胞がんで、重粒子線と既存の放射線治療の効果を比較したところ、ほとんど違いが見られなかったことを報告しています。他のがんでは違いがあるかもしれませんが、まだ判定結果は出ていません。実は陽子線でも、まだ効果のほどは確定していません。
先進医療を受けるべきか、先進医療特約を付けるべきかは、慎重に考えなければいけません。
がん保険 本当に必要ですか