“自覚なし”だからこそ危険 「慢性腎臓病」はこんなに怖い

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 慢性腎臓病とは「腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下」「タンパク尿などの尿異常など」の両方、あるいはどちらかが3カ月以上続く状態をいう。進行すれば慢性腎不全になって人工透析が必要になったり、心筋梗塞、脳卒中といった命にも関わる重大病にしばしば陥る病気だが、自覚していない人が多いのが問題だ。

■「無症状」でも安心できない

 むくみや疲労感が症状として挙げられる慢性腎臓病だが、「無症状だから問題なし」と考えるのは間違いだ。筑波大学付属病院腎泌尿器内科・山縣邦弘診療グループ長が言う。

「慢性腎臓病にはさまざまな原因があり、たとえばネフローゼ症候群などの疾患がある場合は、進行しなくてもむくみなどの症状が出ることがあります。しかし、いま増えているタイプの慢性腎臓病は、症状がまったくないケースがほとんどです」

 それは、生活習慣が関係したものだ。高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風・高尿酸血症といった血管にダメージを与える生活習慣病を放置すると、動脈硬化が進み、血液の流れが悪くなる。腎臓にはトータル200万個といわれる「糸球体」(毛細血管でできた微細な球状の組織)があるが、動脈硬化の進行によってこれが壊れていく。

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