当事者たちが明かす「医療のウラ側」

「検査依存型医療」をやめられない医者は地方で診療できない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■「患者ではなく検査データばかりを見ている」

 診察室では患者の検査データを読み取るのが精いっぱい。正直、その検査データと、患者さんの「○○ではないでしょうか」という言葉から病名を探っているのが現状です。

 そのせいか、ベテランの先生方からは「いまの若手医師は患者ではなく、検査データばかりを見ている。検査依存型医療をやめないと、簡単に検査結果がわからない地方で診療できないぞ」と言われます。

 ごもっともです。わかっています。ですから私は将来、田舎で診療しようとは思いません。検査データなしで診断しなければならない場所で、医者の仕事をする自信がないのです。

 しかし、それは私だけではなく若手医師の多くがそうなのではないでしょうか? いや、ベテランと呼ばれる人も同じかもしれません。

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