天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

降圧剤は自己血圧測定をセットで考える

順天堂大医学部の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 自己血圧測定と並行して、定期的に血液検査を受けることも忘れてはいけません。降圧剤の副作用が起こっていないかをチェックするためです。

 現在、日本では大きく分けて6種類の降圧剤が処方されています。それぞれ作用機序が異なり、その薬が患者さんに合わないケースも出てきます。副作用も、動悸、頭痛、むくみ、便秘、息切れ、けいれん、めまい、筋肉痛などさまざまです。中には、命の危険がある重篤なものもあるので、血液検査によるチェックは欠かせません。

 投薬を行う際、患者さんの身を守るために最も簡単で効果的な方法が血液検査です。肝機能障害を起こしてないか、腎臓に悪影響を与えていないかどうか、アレルギーを起こしていないか、貧血を起こしていないかなど、血液検査のデータを見れば80%近くは分かります。降圧剤を服用している人は、最低でも2カ月に1回は薬を処方してもらっている病院で血液検査を受けるべきです。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。