Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【松方弘樹さんのケース】脳リンパ腫、化学療法が効きやすい

松方弘樹さん(C)日刊ゲンダイ
腕の違和感やしびれが典型的症状

 ビックリされた方も多いでしょう。巨大マグロを釣り上げる豪快なイメージが印象的な俳優・松方弘樹さん(73)が脳腫瘍の一種の「脳リンパ腫」で都内の病院に入院しているそうです。

 先月、体がしびれたり、腕に力が入らなかったりする違和感から医療機関を受診。所属事務所の発表などによると、「脳腫瘍らしきものが見つかったため、詳しい検査と長期療養が必要」と伝えられています。

 そのため、予定されていた6月までのコンサートや舞台を降板。テレビ収録などもキャンセルする見通しで、事務所社長が「(腫瘍らしきものがある場所は)メスを入れることが難しい場所」としたこともあり、病状は重いのではないかと報じられました。

 その後、テレビ番組の取材に応じた事務所関係者の話によると、腕の違和感やしびれなどはあるものの、トイレには自分で歩いていき、会話も普通にできるとのこと。好物のビフテキサンドを取り寄せているそうで、元気な様子が伝えられたのは何よりでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。