健康は住まいがつくる

あまり使わない蛇口の水 飲んで健康に問題はないのか?

バケツ1杯分の水を流してから飲むこと(C)日刊ゲンダイ

 しかし、無害とされる細菌類でも、まだ分かっていない未知の細菌が含まれている可能性がある。それらの細菌類が大量に増殖した水道水を飲んだ場合、免疫力が低下している人では「日和見感染症」の原因になることは否定できないという。

「つまり、水道水は塩素で細菌類が増えない状態が保たれているに過ぎないのです。しかし、水を長い時間流さず止めていると、配管内の水に含まれる塩素は次第に消えていきます。そこに細菌が増殖する余地ができてしまう。そのため、配管内の水が入れ替わる目安として、朝、バケツ1杯分(約10リットル)の水を流してから飲用にすることを勧めている水道局もあります」

 集合住宅などの貯水槽では、規模によって衛生管理が異なる。受水槽が10トン以下の場合では、病院や学校などの施設と受水槽が5トンを超えるものは、条例で年1回以上の清掃や検査が義務づけられている。しかし、それ以外の貯水槽は所有者まかせ。外気温も影響するので、管理が悪いと微生物が増殖するリスクが高いのだ。

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