薬に頼らないこころの健康法Q&A

第1志望の高校に落ちてしまった

井原裕 独協医科大学越谷病院こころの診療科教授(C)日刊ゲンダイ

■世の中にどんな職業があるかを調査

 文理の振り分けが迫る前に、まずは、世の中にどんな職業があるのかを調べてみましょう。そもそも自分の適性に合わない進路をとってしまえば、悲惨な運命となります。自分が何に向いているのか、どんな道に進めば充実した人生を送れそうか、そういったことを考えながら、世の中にどんな職業があるのかをサーベイしてみましょう。

 かくいう私も第1志望に落ちて、希望していなかった高校に進みました。挫折感はありました。でも、高校に入るとすぐに「それどころではない」と気づきました。高校受験のときは、偏差値を見て合格できそうなところを選べばそれでいい。でも、大学はそうはいきません。大学、とくに学部の選択は、人生を左右します。偏差値で志望校を機械的に決めるのは危険です。その先に自分に合う職業が待っている保証はありません。

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井原裕

井原裕

東北大学医学部卒。自治医科大学大学院博士課程修了。ケンブリッジ大学大学院博士号取得。順天堂大学医学部准教授を経て、08年より現職。専門は精神療法学、精神病理学、司法精神医学など。「生活習慣病としてのうつ病」「思春期の精神科面接ライブ こころの診療室から」「うつの8割に薬は無意味」など著書多数。