隠れ「脂質異常症」は油断禁物…要注意は健康診断の時季

「異常なし」でも油断は禁物(C)日刊ゲンダイ

 しかし、前述の通り、LDLコレステロールは季節だけでなく生活習慣の影響を受けやすい。冬になるにつれ数値が徐々に上がり、乱れた生活習慣が加わったために急上昇――ということが大いにあり得る。

「中性脂肪は食事に気を付ければ下がりやすく、一方で食べ過ぎたり、脂っこいものを取り過ぎたりすると、一気に高くなります。LDLコレステロールの高さと中性脂肪の高さが重なり、治療を受けないままでいたら、より動脈硬化は進行しやすいでしょう」

 さらに、最近明らかになっているのは、LDLコレステロールは「低値安定」が望ましく、高くなったり低くなったりを繰り返すと、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるということだ。数値の状態が悪い人ほど、数値の高低の不安定さが大きなダメージにつながる。

「つまり、LDLコレステロールは数値の変動も見なくてはならないのです。脂質異常症が見逃されていて、しかも数値の変動にも気付かれないでいるのは問題です。余裕をもってLDLコレステロールが低い数値を保っている人はいいですが、ギリギリの数値の人は定期的にチェックして、本当に正常範囲かを見なくてはなりません」

 脂質異常症、高血圧、糖尿病はどれも動脈硬化の要因だが、脂質異常症は一番最初に表れやすい。脂質異常症への正しい対策は、その後に起こるかもしれない病気の対策にもなるのだ。

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