有名病院 この診療科のイチ押し治療

【アルコール依存症】井之頭病院・アルコール症センター(東京都三鷹市)

予備軍は約300万人(C)日刊ゲンダイ

■退院後は1年間の通院ケア

「実際には、3カ月断酒できても退院後の継続は難しく、一般的には1年以内の再飲酒率は70~80%といわれます。当センターでは、退院後も断酒が継続できるように、1年間の通所(月~金)で社会や仕事への復帰を目指すアルコールデイケアも実施しています」

 これらの治療プログラムによる断酒率は個人差が大きく一概には言えないが、1年間断酒できると、その後も継続できる割合は高くなるという調査結果が出ている。ただし、10年、20年断酒できていても、1杯でも飲んでしまえば元に戻ってしまうという。

 アルコール依存症では、回復を見守る家族も病気を正しく理解することが大切になる。毎週土曜日の午前中に家族教育プログラム(参加費500円)も開かれている。

「アルコール依存症の患者さんの中には、荒々しい患者さんもいます。公益法人として当センターは、他病院が避けるような患者さんでも積極的に受け入れています」

 公益財団法人。精神疾患の治療とリハビリテーションの専門病院。
◆スタッフ数=医師41人
◆年間初診患者数(2014年)=908人(アルコール依存症の割合54.6%)
◆病床数=全640床(うちアルコール病棟170床)

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